尾行調査とは
探偵による「尾行」とは、依頼者からの相談を受けて調査対象者を特定し、浮気・不倫等の身辺調査を目的として行なわれます。
仮に個人が浮気の証拠をつかもうとして行動した場合、思わぬ行き過ぎた行動となってしまったり、違法行為に該当してしまう恐れもあるので注意が必要です。
探偵による調査であれば一定期間の継続的な監視により、その日時や相手、深い関係の有無などが判明し、写真や記録など浮気の証拠をつかむ可能性が高くなります。
目次
探偵による尾行調査はどう違う?
行政による認可を受けた探偵、および探偵事務所では、依頼者からの依頼を受けて、特定の人物の所在または行動について面接、聞き込み、尾行、張り込みなどの方法で調査することが認められています。これら依頼に基づく情報収集や調査結果の報告を業務として行うことができる旨、規定されているのです。
探偵による尾行調査の手順
探偵に依頼した場合の尾行調査では、調査対象者の行動見込みや勤務先・立ち寄り先の情報など、事前の調査を入念に行った上で調査開始となります。
一般の人が他人を尾行すると対象者にバレたり尾行を振り切られるなどのリスクもあり、決して簡単なことではないと思いますが、探偵であれば収集した情報や経験に基づいた尾行スキル、行動の先読みにより効果的に尾行調査を行なうことができます。探偵は一般的に尾行スキルを得るまでに数年を要するとされ、尾行経験の数も豊富で専門的なスキルも有しています。
ここから探偵に尾行調査を依頼した場合の調査の手順を見ていきましょう。
[1]事前の打ち合わせと情報収集
依頼者から調査依頼を受けると、まずは事前の情報収集をはじめます。対象者の容姿はもちろんのこと、人物像、周辺情報などを詳しく聞き取っていきます。対象者の勤務先や住所などの基本情報や車の車種・色・ナンバー、普段の行動など、身近にいる依頼者だからこそ持っている情報をできる限り詳細に伝えてください。
対象者の行動についても、金曜の夜、決まって職場の飲み会や会議と言っている、帰りが遅いなどの傾向がある場合は打ち合わせで伝えておきましょう。
また、対象者の写真はできるだけ複数枚を用意しましょう。後ろ姿や見切れた写真などでも構いません。角度の違う画像や、小さく映っていても全身が分かる画像があると尾行しやすくなります。
これらの情報により、尾行に適した日程や調査の方針などを決めていきます。
[2]尾行調査の開始
探偵の尾行調査は、一般的に2〜3人のチームを組み、人混みに紛れ込んで歩きながら尾行します。物陰に隠れるというような尾行はありません。人の流れを予測して対象者との距離をはかり、対象者の記憶に残らないような追跡をします。
一般的な市街地であれば数mほどの近さに近寄ることもありますし、人通りが少ない場所であれば10m以上の距離をあけて尾行する場合もあります。対象者に悟られることなく、また、見失うことなく必要な情報を集めていくのが探偵による尾行調査です。
[3]調査途中のリアルタイム報告によるメリット
依頼者側は大きな不安を抱えながら探偵事務所に相談していると思います。調査が始まって今、どのような状況にあるのか、リアルタイムで知りたい気持ちもあるでしょう。依頼者の希望に合わせて報告を入れてくれる探偵事務所も増えていますので、経過報告を希望する場合は打合せの際に確認しておくと良いでしょう。尾行中でも、電話による報告に対応している探偵事務所もあります。また、状況により、浮気現場を押さえている際に調査時間が来てしまうケースもありますが、リアルタイムでの報告により調査を継続するかどうか、時間的な延長についても依頼しやすくなるというメリットもあります。
また、一般的に浮気の事実を確実な証拠として成立させるには、複数回にわたる証拠が必要と言われています。浮気の確定は依頼者としても苦しい事実だと思いますが、確実な証拠として押さえることを目的としているならば、依頼者としても現場の報告を受けて調査の継続を決断していく必要に迫られることがあります。
[4]証拠をおさえる
尾行中に対象者が明確な浮気行動をとった場合は、現場の撮影などにより証拠を確保します。具体的な例として、対象者と不倫相手とのデートの様子やラブホテルに出入りする現場、キスなどの身体接触が確認できた現場などです。その現場に至るまでの対象者の行動や交通手段、ルートなども含めて報告をしていきます。画像だけでなく動画撮影も可能な探偵事務所もありますので、尾行調査の計画や証拠の押さえ方などを打ち合わせの段階で確認しておきましょう。
[5]尾行調査後の報告書の内容とは
尾行が終わった後、調査報告書が作成されます。報告書には一般的に調査対象者の一日の行動や調査員の所見、立ち寄った場所の写真など、尾行している調査員の位置情報(GPS)を含めて具体的に報告していきます。浮気等の現場を押さえることができた場合、写真や動画などの証拠がそろいますので、浮気の証拠として確実性の高い情報を一度に得ることができます。
探偵業法で認定された探偵事務所が行なう報告書については、裁判でも有効な証拠として認定されますので、離婚や慰謝料について裁判等の請求を行う場合に、非常に有利な材料となってきます。
尾行調査の費用は?
尾行調査の費用は調査の難易度や調査にかける時間によって大きく違いがあります。相場としては1日あたり10~15万円、複数の証拠を押さえる目的で数日を要した場合、トータルで30〜40万円程度と見込まれます。一般的に探偵2~3名のチームで取り組む尾行ですが、状況により調査が長時間に及ぶ場合や、地理的に遠方な場合など差が生じる見込みです。
探偵の調査費用には、主に3つの料金体系があります。
・時間制…1時間あたり、探偵1人あたりの単価
・パック制…20時間、30時間など一定時間での単価
・成功報酬型…成功した際にのみ探偵への報酬が発生
パック制では、この調査ではこのくらいの時間を要するといった見込みに基づいてパック料金で依頼する方法です。一括して依頼するため、時間あたりの単価が割安になることがほとんどです。
探偵の尾行調査は探偵業法により業務として認定されている
依頼人からの依頼を受けて実施される尾行調査は、探偵の業務として認定されています。そのため調査や情報収集、尾行を行なうことや調査により報酬を受け取ることが認められているのです。
一般の人が尾行をすると、「付きまとい」や「監視」などのストーカー行為や軽犯罪法違反に該当する可能性がありますが、探偵は依頼を受けて業務として行います。それでも行動によっては探偵業法や軽犯罪法の違反だと認定されるケースも考えられますが、個人が一人で調べ回るよりもリスクも少なく確実だといえるでしょう。
探偵の尾行はバレない?その理由は専門家による調査だから
リスクも違法性も少ない探偵による尾行調査ですが、調査が成功しやすい理由として、調査対象者にバレにくいことが最大の要因だといえます。その最大の理由は、尾行のプロである探偵複数名による調査だという点です。
探偵による尾行調査の場合、基本的に2〜3人のチームで調査を行います。対象者によっては警戒をして商業施設に入ったりエレベーターを乗り換えたり満員電車で移動するなど、尾行が難しい場合もあります。プロの探偵の尾行であれば引き離されるリスクを減らし、対象者に感づかれにくい尾行を継続することができます。対象者の立ち寄り先に合わせた服装で行動することはもちろん、調査対象者と目が合うと警戒されるおそれがあるため足下を見ながら歩いて距離を取るなど、一見とても尾行しているようには見えない追尾も得意としています。
もし、依頼者が自分で尾行や追跡をするチャンスを狙っていると、振る舞いや表情に出てしまうことも多いでしょうし、行動に移しても尾行がバレてしまう危険性もあるでしょう。プロの探偵の尾行の場合、そのようなリスクを極力減らし調査を堅実に進めることができます。
ただし万が一、尾行中の対象者が後ろを気にしながら走り出すなど警戒行動に出た場合、尾行の発覚を最大のリスクと考え、途中で追跡を中止する可能性もあります。
探偵に依頼したけどまさかの失敗?どうなる?
ここからは、探偵に尾行を依頼したものの失敗した場合について解説します。尾行の失敗とは、尾行中に見失うケースと、浮気調査そのものが対象者にバレるケースの2種類があります。順に見ていきましょう。
(1)尾行中に見失うケース
探偵は尾行のプロであるため自身のミスによって見失うケースは非常に少ないといえます。探偵は現場に合わせて様々な可能性を想定し、連携をとりながら細心の注意をはらって尾行を行ないます。ただし、事故のような不可抗力の事態が発生して探偵が巻き込まれるなど、尾行の継続が難しい可能性も決してゼロではありません。
(2)浮気調査が対象者にバレてしまう意外な理由
次に、浮気調査そのものが対象者に知られてしまうケースです。
探偵のミスによって調査活動がバレるようなケースは、よほどの事態が起きない限りはありえ無いといえるでしょう。そして探偵業の基本として、探偵側は守秘義務を負っているからです。
ここで注意が必要なのが、調査について依頼者の言動から悟られるというケースです。依頼者は浮気を疑い、探偵に相談して調査を依頼しているため、なかなか平常心では過ごせないことでしょう。そのため依頼者の行動にも不自然さが出たり、変化が出やすくなります。
依頼者の言動から対象者が疑いを持って警戒が強まったり、依頼者が対象者に問い詰められて白状してしまうケースも意外に多いといわれています。中には、探偵に調査を依頼している最中なのに自分でも証拠をつかみたくて尾行して失敗してしまった、録音機器を設置してバレてしまった、というケースもあるようです。そのため、非常に難しい事ではありますが、依頼者としては自然に生活し、結果を冷静に待つことも大切です。調査がバレたときの対処法についても、探偵事務所で事前に打ち合わせをしてくれます。
また、やむを得ず失敗に終わったとしても、探偵への報酬や調査に要した実費については依頼者側の負担が必要です。成功報酬制でない限り費用は発生する点に注意しましょう。
尾行の成果を得るには優れた探偵事務所を選ぶことが重要
このように探偵のミスにより尾行調査を知られる可能性は低いといえますが、様々な要因により調査が失敗する可能性もゼロではありません。万が一、バレてしまっても法的な責任等を負うことはありませんが、パートナーとの関係が悪化する可能性は高くなります。しかし、前提として、探偵に調査を依頼するほどの行動をとっているのであれば、対象者は「クロ」である可能性も高いといえます。
そのため、浮気調査の成果を得るには探偵事務所の調査能力や信頼度などを見定めていきましょう。
調査には2〜3名以上の十分な体制が可能かどうか、経験の浅い調査員やアルバイトが含まれていないか、調査の進捗についてこまめな報告を受けられるか、信頼できる調査実績があるかどうか、探偵事務所を選ぶ際には事前にしっかりチェックしておきましょう。
まとめ
一般の人が尾行的な行動をとると、ストーカー規制法や軽犯罪法などの違法行為に該当する可能性もあります。
探偵は探偵業法によって業務としての尾行調査を認められていますので、探偵に依頼したほうが近道だといえます。尾行調査を依頼することで、日ごろ不審に感じている点も明らかとなり、浮気が存在する場合はその証拠をつかむこともできます。優秀な探偵事務所であれば、実績による経験値も高いため、結果を得られる確率も高くなります。
調査依頼を考えている場、探偵事務所の無料相談もあります。費用の見積もりなど相談してみてはいかがでしょうか。